【ブラタモリ】
「#35 水の国・熊本~“火の国”熊本は“水の国”?~」
(NHK総合・2016/4/2放送)
※公式サイト:http://www.nhk.or.jp/buratamori/
<感想>
前回に引き続いて熊本でした。“水の国”というほど湧水が豊富にあることは知っていましたが、そのメカニズムについて詳しく学ぶことができました。阿蘇山の火砕流が現在の熊本市内まで達していたというのは驚きでした。阿蘇から結構距離がありますからね。もし大規模な噴火があったら政令市の住民が丸ごと大避難ということになりますね。
そして熊本は水が美味しいです。米と水が豊かということで焼酎も米がメインです。私も熊本に行ったときはお湯割りでよく飲んでいました。
さて今回の放送で桑子アナ最終回、最初は戸惑う表情もよくみられましたが、段々とタモリの個性に付いていけるようになっていただけに残念ですね。1年間お疲れさまでした。
<視聴メモ・番組内容(いわゆるネタバレ)が含まれています>
・スタート地点は前回に続いて熊本城。くまモンが登場、手にタモテ箱を持っている。
・旅のお題は「“火の国”熊本は“水の国”?」。
・前回に続いて案内人は熊本城調査研究センターの鶴嶋俊彦さん。
・熊本が“火の国”と言われる由来は阿蘇山と、もう一つは不知火(八代海で夏の夜に現れる蜃気楼)。対極に水が豊富な“水の国”でもあるという。
・一行は“水の国”の地質を探るために熊本第一高校へ。期末試験中のため小声で登場したのは、地学を教えている高校教諭の湊啓輔さん。
・校舎の裏側に行くと台地の露頭(地層や岩石が地表に露出したところ)があった。火砕流(高温の火山ガス・火山灰・軽石などが高速で地表を流れ落ちる現象)や火山灰が露出している。
・阿蘇ではこれまでに巨大な噴火が4回あった。そのたびに火砕流が発生し熊本市にも流れてきた。つまり熊本のベースとなる地質は阿蘇の火砕流が冷えて固まったもの。
・9万年前に発生した「Aso-4」と呼ばれる噴火の火砕流。熊本市街地は高さ40mのAso-4火砕流でほぼ覆われている。
・次に一行は熊本市の東にある住宅街へ。水が澄んでいる川があり魚がいっぱいいる。
・3人目の案内人は、断層の地図を眺めるのが好きだという阿蘇ジオパーク推進協議会の永田絋樹さん。
・川の畔に降りると湧水であることが分かる。
・すぐ隣にあるのが水前寺成趣園(豊富な湧き水をいかし江戸時代初期につくられた庭園)がある。
・湧き水が出るのは阿蘇から続く台地の末端(際)にあるため。阿蘇に降った雨は地下にあるAso-4火砕流堆積物に染み込む。水を通しやすい地層のため、水は低い方に流れて台地の際で豊富に湧き出る。
・続いて一行は「水源」という地名の場所へ。熊本市水道サービス公社の谷本堅さんの案内で健軍水源地の中に入る。
・日本最大級の自噴する井戸「健軍5号井」。こうした井戸が熊本市に113本あり、水道は100%地下水で賄っている。5号井は1日に1万5千立方メートル湧出する。1本で熊本市民のうち6万人を(1日分)賄える。
・熊本市の地下は2階建ての水がめがあるイメージだという。Aso-4の第一帯水層の下にはAso-3~1の第二帯水層がある。それが水が豊富に湧く仕組みだった。
・水をまちづくりに生かした人物がいるという。熊本城と同じく加藤清正(1562~1611年)。“水の国”熊本の仕掛人だという。
・一行は熊本の中心部に移動。マンションの14階から白川を眺める。清正は蛇行している白川を洪水対策のために真っ直ぐにしたという。
・川が蛇行していた痕跡を辿ると、繁華街である下通に曲がった箇所がある。
・清正はもう一つの川(坪井川)を内堀に、白川を外堀にした。そして分断されていた城下町を一つにしたという。
・さらに一行は内陸部へ移動する。菊陽町教育委員会の岡本勇人さんの案内で「鼻ぐり井手」へ。清正がつくった用水の一つで、井手とは農業用水路、鼻ぐりは牛の鼻輪のこと。
・水が抜いてあるその場所に潜入すると、約14万年前のAso-2火砕流にツルハシで掘った跡が残っている。
・鼻ぐりの壁をつくることで水に渦ができる。そのお陰で火山灰が溜まらずに水が流れるという。
・清正がこうした井手をつくったお陰で白川中流の地域には爆発的に田んぼが広がった。ザル田と呼ばれ、火山性の地質で水が浸透しやすい。そのためさらに地下水が安定的に豊富になった。
・桑子アナは今回の放送で最後となる。彼女は夜11時からのニュースを担当するという。「月~金の毎日をぜひ体験してみてください」とタモリから餞の言葉が。
(2016/4/3視聴・2016/4/3記)
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