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【歴史秘話ヒストリア】真田丸を掘る 地中に眠る信繁の城

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【歴史秘話ヒストリア】
「真田丸を掘る 地中に眠る信繁の城」

(NHK総合・2016/12/16放送)
※公式サイト:http://www4.nhk.or.jp/historia/

<感想>

 大河ドラマ最終回を前にした「歴史秘話ヒストリア」。大坂冬の陣で実際にあったと言われている「真田丸」の発掘を巡る現地からの最新報告といった感じでしたが、残念ながら新しい発見はありませんでした。ちょっと勿体ぶった割には尻すぼみといった印象が否めなかったですね。

 それより折角ドラマのセット用に千葉県某所に作ったといわれる真田丸(ネット上で千葉県K市の山奥だと、ほぼ場所は特定できているようです。テロップでも表示されていましたし)。残念ながら撮影後に取り壊されてしまったようです。そういうのを観光資源として活用すればいいのにと思いました。

 例えば各地で映画やドラマのロケセットがそのまま残されている場所がありますよ。朝ドラ「すずらん」の明日萌駅(JR留萌本線の恵比島駅)、高倉健さんの映画「駅 STATION」の増毛駅(留萌本線・廃駅)や「鉄道員」の幌舞駅(根室本線の幾寅駅)。また「あまちゃん」は岩手県久慈市にロケ地がたくさん残っていますからね。

 そういうところが上手に活用できないのが残念ですね。K市を通るローカル線とロケ地を結ぶシャトルバスなどを運行したり、ゆかりの地を巡るバスツアーなどやればいいのに。ついでに本多忠勝が主を務めたお城もそう遠くない場所にあるのだから…。

<視聴メモ・番組内容(いわゆるネタバレ)が含まれています>

・徳川軍20万vs.豊臣軍10万の激闘が繰り広げられた大坂冬の陣。圧倒的な徳川軍の前に「真田丸」が立ちはだかった。記録では、たった1日で徳川方1万人以上が戦死した。徳川家康にとって、真田丸は悪夢の砦だった。
・真田丸発掘調査団団長で奈良大学教授の千田嘉博氏。ドラマ「真田丸」のセットの考証も担当した。本物の真田丸は大坂冬の陣の後、徳川方によって壊されてしまった。跡地と言われている場所で1年がかりで調査が行われた。

<真田丸の外堀を捜せ!>
・真田丸の発掘。まず同時代の記録をあたってみると、真田丸の場所と規模が記されていた。真田丸は大坂本城の巽(南東)にあり、百間四方(180m四方)の出丸。学校のグラウンドほどの広さとある。実際、大阪城南東には真田の地名がたくさん伝えられている。
・さらに重要な手掛かりが。今年発見された絵図、大坂の陣から一番近い時期に真田丸を描いたもの。真田丸は堀と崖に囲まれた四角い形。南の堀は24間(43m)と記されている。
・この堀が発掘できれば真田丸の場所が確定できる。地中レーダーを使って調査を始めた。地下には大きなくぼみが埋まっていた。くぼみの深さは数m以上。もう1か所、並行している道路も調査した。やはりここでも大きなくぼみが確認された。
・道路の下から確認された場所を結んで延長してみると、堀のようになる。堀の幅は当時の絵図と一致する。深さ8m、幅40~45mという巨大なくぼみ、真田丸のくぼみなのか。
・そこを掘り出したいが、町の真ん中なので不可能。諦めかけたとき1か所だけ建物がない場所を見つけた。それは駐車場だった。
・特別に許可を得て真田丸発掘が動き出した。民間団体「真田丸発掘推進協議会」が市民や企業から調査費用を募り、大阪府と大阪市の教育委員会が実際の調査を担当した。
・まず2m幅で東西方向に掘ってみた。「地山」は自然のままの地盤、「盛り土」は人の手が入った土のこと。レーダー探査の断面図では、地山の上に堀は盛り土として埋まっているように見える。真田丸の堀が埋まっているとすれば、地山と盛り土の境目が斜めに現れるはずだ。
・もう一つ、専門家が目を凝らして探しているのは合戦当時の遺物。矢じりや鉄砲の弾が出てきはしないか。しかし期待外れ、出てきたのは平和な江戸時代のものばかりだった。
・掘り続けると元々の地盤、黄色い地山に当たってしまった。やはり真田丸に辿り着くのは難しいのか。発掘チーム団長の千田氏、がっかり報告を聞きつつも全然諦めていなかった。
・駐車場の端まで掘れば真田丸の堀に行き当たるはず。担当者は作業車を置くスペースが無くなると難色するが、何とか説得に成功。
・千田氏は戦後まもなくアメリカ軍が撮影した航空写真を立体視した。焼け跡の航空写真は地表が現れるので、堀の痕跡がみてとれるという。判読の結果、角が丸い四角い形だったと推定できるという。

<発掘 真田丸 ついに見つけた!?>
・千田氏の想定に基づいて発掘が再開された。南北方向に掘ってみることにした。見つけたいのは地山と盛り土の境目が斜めになって現れるライン。
・しかし駐車場の下は地盤を固めてあり、発掘作業は遅々として進まなかった。見えてきた地山のラインは南に向かって確かに落ちていた。この先が真田丸の堀になっているのか。
・3日目。いよいよ調査は最終段階に差し掛かった。ついに駐車場の敷地いっぱいまで拡大された。地山が下がっていたところを慎重に掘り下げる。下がりきらず逆に上がり始めていた。幅が僅か3mのくぼみだった。幅40mの堀とは全く別物だった。このくぼみは江戸時代のゴミ捨て場か井戸と判断された。
・慌てて千田氏が駆けつけた。このがっかりの現場が千田氏には発見の現場だったようだ。ここを土塁と考えるとその上には櫓があり、堀と反対側に排水口があるはず。雨が降って砦の内側が水浸しにならない仕掛けだ。だから排水口は砦があった証だと千田氏はこう考えた。

まさに雨落ち溝が掘られていて、そして高まっている地山が土塁。ちょうど調査しているギリギリ端のところから土塁がはじまっている可能性があると、今の時点では読み解くことができる(千田氏)

・出てきたのが排水口だとすると櫓のスペースを挟んで堀へと続く下りラインが現れるはずだ。なんと下りラインがはっきりと確認できた。
・しかし駐車場はここで終わり、この先は道路なので掘ることができなかった。この状況を巡って調査担当者と千田氏の見解はわかれた。

これをもって、たとえば堀だとか積極的なことは言えない。ゴミ穴の一つかも分からない(大阪府教育委員会の森屋直樹氏)

基盤の積んである土は土塁の可能性ありと私は考える。堀そのものはここでは落ちていないので、南の落ちているところを探してみる必要がある(千田氏)


・最初、堀が駐車場の真下にあると想定して調査が始まった。しかし駐車場の南側、道路の辺りに堀があると考え直す必要がある。実は絵図に描かれた曲がった堀の形によく似ていた。
・この真田丸に守るのに使われたのが火縄銃。同じタイプのものが現在も残されている。普通の火縄銃の2倍、2mの大型銃「大狭間筒」。甲冑の鉄板がめくれ上がるほど大きな弾丸が貫通する威力があったという。
・寺町の寺を取り込んだ真田丸。そのヘリは崖が続いている。その崖は人の手で作られたもので、これもまた堀の跡だと千田氏は考えている。
・土橋こそ必殺の仕掛け。徳川軍は堀に行く手を阻まれ、土橋に向かう。それこそが信繁の思うつぼ。徳川軍を誘い込み一斉攻撃することができた。

<真田丸がいっぱい!信繁の戦略とは?>
・大坂冬の陣が終わり、大坂城は外堀・内堀を埋められて裸城に。真田丸も破壊されてしまった。
・大坂方が圧倒的不利な状況で始まった夏の陣。ところがここで信繁は新たな切り札を用意して決戦に挑んだ。

真田丸は一つじゃないんです。第2、第3の真田丸見つけちゃったんですよ。今までの大坂夏の陣の評価や解釈を覆す大発見なんです(千田氏)

・訪れたのは道明寺の戦いの舞台、第2の真田丸とは岡ミサンザイ古墳のことだった。

堀を墳丘の中につくっていて、巨大な前方後円墳全体が一つの要塞に造りかえられた(同上)

・古墳を3次元データで見てみると、本来の形に手が加えられ砦に造りかえられていた。古墳の頂上は削られ、兵舎を置くスペースに。登り口も整備され、さらに物資を隠しておくための地下室を設けた建物を造っていた可能性がある。大坂城を守る強力な要塞、確かに真田丸と同じ役割だ。
・この第2の真田丸を使った信繁の巧みな戦略が浮かび上がってくる。東側には古墳が列になって並んでいる。これが作戦のポイント。奈良から大坂に侵攻した徳川軍は古墳と古墳の間の狭い道を通らなければならなかった。
・いかに大軍でも狭い道にそれぞれ分かれて進むとき、本拠地とした第2の真田丸から出撃。敵を順々に打ち倒していくことが可能になる。
・そして作戦が失敗しても次の一手が用意されていた。冬の陣では家康が本陣を置いた茶臼山は、夏の陣では信繁が第3の真田丸を置いた場所だったのだ。
・さらに史料をみると茶臼山とともに岡山も真田丸だったとみられる。どちらも騎馬隊を出撃させるための出入口「丸馬出」が作られている。
・注目すべきは茶臼山と岡山の間のライン。巨大な堀があったことを示している。千田氏はこの堀が今でもすぐ分かるという。

信繁たち大坂方は古代の運河・河川の跡を空堀に造りかえて、徳川軍を迎え撃とうとした(同上)

・現代の地形図からも、くねくねと続くラインが分かる。南から押し寄せる徳川勢を空堀のラインで食い止める。激戦は膠着状態に陥るはず。
・しかしここにチャンスが。前線に兵力が集中し、家康本陣が手薄になる。それが信繁の狙いだった。このタイミングで次の一手が。茶臼山と岡山には騎馬隊を温存していた。その騎馬隊が手薄な本陣を突き、総大将・家康を討ち取る。これが信繁の最後の秘策だった。

(大坂方は)少数の兵力だけど大軍の徳川と対等に戦う、あるいは有利な状況に持ち込んで戦おうと信繁が考えていた。城郭考古学からみると、真田信繁は最後まで勝利を信じて戦っていた(同上)

・信繁にとって夏の陣は勝ち目のない戦いではなく、考え抜かれた勝利のための戦いだった。

望みを捨てぬ者だけに
道は開ける


・真田丸を捜す旅から分かってきたのは「日の本一の兵」と呼ばれた真田信繁の真の姿だった。

(2016/12/22視聴・2016/12/22記)

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