【ブラタモリ】
「#42 横須賀~なぜ横須賀は要港(ヨーコー)っスカ?~」
(NHK総合・2016/6/18放送)
※公式サイト:http://www.nhk.or.jp/buratamori/
<感想>
今回のブラタモリは横須賀。千葉県在住の私にとっては近くて遠い場所です。もちろん行ったことはありますが、あまり印象に残っていないんですね(苦笑)
それにしても、米軍が全面協力してドライドックと原子力空母の取材を許す辺りは、沖縄を中心に巻き起こっている米軍の様々な問題を薄めようとする意図が見え隠れしているような気がします…というのは、書いている自分ですら深読みしし過ぎだと分かっていてのものです。いちいち本気にしないでくださいね。
<視聴メモ・番組内容(いわゆるネタバレ)が含まれています>
・今回の舞台は横須賀。スカジャンを着ているタモリ。
・旅のお題は「なぜ横須賀は要港(ヨーコー)っスカ?」
・最初の案内人は横須賀市自然・人文博物館学芸員の菊地勝広さん。20年近く横須賀の歴史と文化を研究している。
・一行はまず横須賀駅へ。明治22(1889)年、横須賀線開通。物資輸送目的のため段差がないといわれている。
・駅の裏側に行くと軍港を隔てる壁がある。機密事項が多い軍港が覗かれないようにするための工夫だった。
・浦賀港に移動した一行。浦賀は嘉永6(1853)年、開国を求めてペリーが来航した場所。その秘密は港の地形にある。東京湾の入口で波が穏やかな天然の良港。だから江戸時代、幕府の重要な役割を担った。
・また浦賀は江戸に出入りする全ての船が寄港し、人や荷物を検査する「海の関所」だった。
・黒船が停泊したのは浦賀港の入口、ここで浦賀が江戸時代に重要な港だった更なる理由が分かるという。広い浅瀬が続く千葉側とは違い、横須賀沿岸には海底に深い谷が刻まれている。黒船ほどの大型船になると水深が深い場所を必然的に通ることになる。目には見えない海底の地形がペリーを浦賀に導いた。
・2万年前、東京湾が陸地だったときに大きな川が流れていた。その川の跡が今も海底に谷として残り、船の通り道になっている。だからここは船がひしめく海の交通の要衝。
・続いて一行はペリーが来たことを物語る痕跡を訪ねる。民家に保管されている鉄の鍋、黒船で実際に使っていたもので水を提供したお礼に貰ったものだという。また水牛の角も明治34年にペリーの孫から貰ったものらしい。
・日本にやって来る外国船を修理する場所、すなわち「ドック」が開国とともに求められた。そこで幕府は江戸に近い東京湾の中で造船所をつくる計画を練った。
・フランスのトゥーロン港と横須賀港を見比べると、共通点は半島に囲まれた広い内海であること。波風が穏やかな造船所にはもってこいの場所としてフランス人が選んだ。
・一行は横須賀本港に戻る。3つのドライドック(海水につからない状態で船を修理する場所)が現在アメリカ海軍基地の中にある。明治初めの絵図にも描かれ、150年活躍している。
・特別な許可を得て米軍基地内に入る一行。第1号ドライドックは幕末に着工した日本最古の石造りのドライドック。フランス人技師が最先端技術で築造した。
・ドックに使われているのは硬くて風化に強い安山岩で、江戸城の石垣にも使われたという伊豆石をフランス人が選定した。
・また山を削り岩盤を掘り込んで安定した強い地盤に造ったドック。もともと浅瀬を埋め立てる予定だったが、日本に地震が多いことでフランス人が設計を変更した。
・ドックを造っている最中に世界で初めてナウマンゾウの化石が発掘された。しかしこのナウマンゾウの化石には長い間、ある大きな謎があった。
・2人目の案内人の横須賀市自然・人文博物館の元学芸員で理学博士の蟹江康光さん。横須賀の地形や地質に詳しい大ベテラン。
・化石が発掘されたドックの地層の年代(約410万年前)とナウマンゾウが生きていた時代(約10数万年前)が全く合わない。
・ドックができた頃の写真をみると2つ地層がみえる。古い地層が隆起し侵食され、新しい地層が堆積した。ドックの場所にあった山の上の方に新しい地層があり、そこからナウマンゾウの化石が発掘されたと考えられる。
・幕末、外国船を修理する場所としてスタートした横須賀の造船所。その後、明治17(1884)年、旧日本海軍の拠点が置かれ、軍艦を造る軍港へと変わっていった。最初は3つだったドックも増え、どんどん規模が拡大していった。
・一行は6号ドライドックへ。旧日本海軍が昭和15(1940)年に完成させた。長さ約337m、深さ15m。このドックでは戦時中、航空母艦「信濃」という世界最大の空母が造られた。横須賀港は旧日本海軍の軍港として、さらに重要な港へと発展していった。
・さらに一行は特別な許可を得て、去年秋から横須賀に配備されている世界最大の空母ロナルド・レーガンに乗船。
・飛行機を35機も格納することができるという。飛行甲板はサッカー場2つ半の広さがある。
(2016/6/19視聴・2016/6/19記)
※関連ページ
「#41 お伊勢参り~人はなぜ伊勢を目指す?~」
「#40 伊勢神宮~人はなぜ伊勢を目指す?~」
「#39 志摩~志摩の宝は絶景が生んだ!?~」
「#38 横浜~横浜の秘密は“ハマ”にあり!?~」
「#37 京都・伏見~伏見は“日本の首都”だった!?~」
「#36 京都・嵐山~嵐山はナゼ美しい!?~」
「#35 水の国・熊本~“火の国”熊本は“水の国”?~」
「#34 熊本城~熊本城は“やりすぎ城”?~」
「#33 那覇~那覇は2つある!?~」
「#32 沖縄・首里~王都・首里はサンゴでできている?~」
「#31 真田丸スペシャル・沼田~真田は沼田でどんな城下町をつくった?~」
「#30 道後温泉~道後100万人の湯はどうできた?~」
「#29 松山~四国一の街・松山はどうできた?~」
「#28 小田原~江戸の原点は小田原にあり?~」
「#27 熱海~人気温泉地・熱海を支えたものは?~」
「#26 日光の絶景 ~日光はなぜ“NIKKO”になった?~」
「#25 日光東照宮~日光東照宮は江戸のテーマパーク?~」
「#24 軽井沢への道~人はどう峠を越えてきた?~」
「#23 小樽~観光地・小樽発展の秘密は『衰退』にあり?~」
「#22 札幌~なぜ札幌は200万都市になった?~」
「#21 富士山頂~人はなぜ富士山頂を目指す?~」
「#20 富士山の美~富士山はなぜ美しい?~」
「#19 富士山~富士山はなぜ美しい?~」
「#18 福岡と鉄道~福岡発展のカギは「鉄道」にあり!?~」
「#17 福岡~博多誕生のカギは「高低差」にあり!?~」
「#16 軽井沢~軽井沢はなぜ日本一の避暑地になった!?~」
「#15 出雲~出雲はなぜ日本有数の観光地となった?~」
「#14 松江~国宝 松江城の城下町はどうつくられた?~」
「SP 東京駅~巨大地下空間は歴史の生き証人!?」
「#13 仙台 「杜」と「都」」
「#12 仙台~伊達政宗は「地形マニア」!?~」
「#11 奈良の宝~観光地・奈良はどう守られた?~」
「#10 奈良~奈良発展の秘密は“段差”にあり?~」
「#9 小江戸・川越」
「#8 函館の夜景~函館の夜景はなぜ美しい?~」
「#7 はるばる函館へ~レールはどう函館を目指す?~」
「#6 鎌倉の観光」
「#5 鎌倉~800年前の「まちづくり」とは?~」
「#4 金沢の「美」~金沢は美のまち!?」
「#3 金沢~加賀百万石はどう守られた?!」
「#42 横須賀~なぜ横須賀は要港(ヨーコー)っスカ?~」
(NHK総合・2016/6/18放送)
※公式サイト:http://www.nhk.or.jp/buratamori/
<感想>
今回のブラタモリは横須賀。千葉県在住の私にとっては近くて遠い場所です。もちろん行ったことはありますが、あまり印象に残っていないんですね(苦笑)
それにしても、米軍が全面協力してドライドックと原子力空母の取材を許す辺りは、沖縄を中心に巻き起こっている米軍の様々な問題を薄めようとする意図が見え隠れしているような気がします…というのは、書いている自分ですら深読みしし過ぎだと分かっていてのものです。いちいち本気にしないでくださいね。
<視聴メモ・番組内容(いわゆるネタバレ)が含まれています>
・今回の舞台は横須賀。スカジャンを着ているタモリ。
・旅のお題は「なぜ横須賀は要港(ヨーコー)っスカ?」
・最初の案内人は横須賀市自然・人文博物館学芸員の菊地勝広さん。20年近く横須賀の歴史と文化を研究している。
・一行はまず横須賀駅へ。明治22(1889)年、横須賀線開通。物資輸送目的のため段差がないといわれている。
・駅の裏側に行くと軍港を隔てる壁がある。機密事項が多い軍港が覗かれないようにするための工夫だった。
・浦賀港に移動した一行。浦賀は嘉永6(1853)年、開国を求めてペリーが来航した場所。その秘密は港の地形にある。東京湾の入口で波が穏やかな天然の良港。だから江戸時代、幕府の重要な役割を担った。
・また浦賀は江戸に出入りする全ての船が寄港し、人や荷物を検査する「海の関所」だった。
・黒船が停泊したのは浦賀港の入口、ここで浦賀が江戸時代に重要な港だった更なる理由が分かるという。広い浅瀬が続く千葉側とは違い、横須賀沿岸には海底に深い谷が刻まれている。黒船ほどの大型船になると水深が深い場所を必然的に通ることになる。目には見えない海底の地形がペリーを浦賀に導いた。
・2万年前、東京湾が陸地だったときに大きな川が流れていた。その川の跡が今も海底に谷として残り、船の通り道になっている。だからここは船がひしめく海の交通の要衝。
・続いて一行はペリーが来たことを物語る痕跡を訪ねる。民家に保管されている鉄の鍋、黒船で実際に使っていたもので水を提供したお礼に貰ったものだという。また水牛の角も明治34年にペリーの孫から貰ったものらしい。
・日本にやって来る外国船を修理する場所、すなわち「ドック」が開国とともに求められた。そこで幕府は江戸に近い東京湾の中で造船所をつくる計画を練った。
・フランスのトゥーロン港と横須賀港を見比べると、共通点は半島に囲まれた広い内海であること。波風が穏やかな造船所にはもってこいの場所としてフランス人が選んだ。
・一行は横須賀本港に戻る。3つのドライドック(海水につからない状態で船を修理する場所)が現在アメリカ海軍基地の中にある。明治初めの絵図にも描かれ、150年活躍している。
・特別な許可を得て米軍基地内に入る一行。第1号ドライドックは幕末に着工した日本最古の石造りのドライドック。フランス人技師が最先端技術で築造した。
・ドックに使われているのは硬くて風化に強い安山岩で、江戸城の石垣にも使われたという伊豆石をフランス人が選定した。
・また山を削り岩盤を掘り込んで安定した強い地盤に造ったドック。もともと浅瀬を埋め立てる予定だったが、日本に地震が多いことでフランス人が設計を変更した。
・ドックを造っている最中に世界で初めてナウマンゾウの化石が発掘された。しかしこのナウマンゾウの化石には長い間、ある大きな謎があった。
・2人目の案内人の横須賀市自然・人文博物館の元学芸員で理学博士の蟹江康光さん。横須賀の地形や地質に詳しい大ベテラン。
・化石が発掘されたドックの地層の年代(約410万年前)とナウマンゾウが生きていた時代(約10数万年前)が全く合わない。
・ドックができた頃の写真をみると2つ地層がみえる。古い地層が隆起し侵食され、新しい地層が堆積した。ドックの場所にあった山の上の方に新しい地層があり、そこからナウマンゾウの化石が発掘されたと考えられる。
・幕末、外国船を修理する場所としてスタートした横須賀の造船所。その後、明治17(1884)年、旧日本海軍の拠点が置かれ、軍艦を造る軍港へと変わっていった。最初は3つだったドックも増え、どんどん規模が拡大していった。
・一行は6号ドライドックへ。旧日本海軍が昭和15(1940)年に完成させた。長さ約337m、深さ15m。このドックでは戦時中、航空母艦「信濃」という世界最大の空母が造られた。横須賀港は旧日本海軍の軍港として、さらに重要な港へと発展していった。
・さらに一行は特別な許可を得て、去年秋から横須賀に配備されている世界最大の空母ロナルド・レーガンに乗船。
・飛行機を35機も格納することができるという。飛行甲板はサッカー場2つ半の広さがある。
(2016/6/19視聴・2016/6/19記)
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