【大河ドラマ】真田丸
「最終回」
(NHK総合・2016/12/18放送)
※公式サイト:http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/
<感想>
この1年間、大変楽しませていただいた「真田丸」も、いよいよフィナーレ。視聴したのは18日のリアルタイムで某温泉地の旅行先でしたが、改めて録画しておいたのを観たうえで感想を書きたいと思います。
三谷幸喜さんの描き方は、実に史実を大事にするものだったと思います。もちろんストーリーの全てがノンフィクションだったわけではありません。そもそも信繁が「幸村」と名乗ったという一次資料はないわけですし、冬の陣に築いたといわれる「真田丸」も謎に包まれています。
そして信繁が夏の陣の後どうなったのかというのも、実ははっきりしていません。一番有力だというのが安居神社で落ち武者狩りに遭ったという話ですが、ドラマでは盟友ともいえる佐助と行動をともにするという感動的なシーンにしてくれました。
ちなみに信繁はその後、生き延びたという「伝説」があります。彼のお墓といわれているものが鹿児島にも秋田県大館にもあるそうです。きっとそう信じたい人々がいたのでしょうね。私もその気持ちは十分に分かります。
そうした色々な諸説がある中で、三谷さんは非常にオーソドックスな展開で歴史をなぞっていたと思います。それが一人ひとりの登場人物たちに光を当てる作品に仕上がったのではないかと思います。
本当に毎週の放送を楽しみに待つという大河ドラマは、ここ近年では「八重の桜」以来だったと思います。しかも途中の中だるみのような部分もなく緩急ついたテンポ。しかも歴史上では大事件のはずの「本能寺の変」も「関ヶ原の戦い」もあっけなく有働アナのナレーションで終了というのも、ある意味すごかったです。
またこのドラマを発端に派生した言葉「ナレ死」。亡くなるシーンが無くナレーションで省略されるという意味ですが、最後の最後に「徳川幕府」そのものをナレ死させてくれました。これは私にとっては圧巻でした。
ということで、来年の大河ドラマも引き続き戦国時代が舞台になるようです。まずは主人公が女性だったのか男性だったのか非常に混沌としているようですが…まあ、それはそれとしてどんな作品になるか楽しみにしておくことにします。このワガママなカエルは、ちょっとでもつまらなければ視聴終了ということもありますからね。朝ドラの方は、お友だちで「お店屋さんごっこ」みたいなのが続いていたので既に撤退しております(笑)
<視聴メモ・番組内容(いわゆるネタバレ)が含まれています>
・豊臣と徳川の決戦が始まった。大坂城を出、野戦に持ち込む信繁だったが、形勢は圧倒的に不利。そんな中、後藤又兵衛が討ち死にする。
・大坂を訪れていた真田信之(大泉洋)は山寺で偶然、本多正信(近藤正臣)と相部屋になる。
・真田幸村(堺雅人)は、台所番の与左衛門(樋浦勉)が徳川の間者であることを突き止めた。尋問したところ、与左衛門は自らの体を刺した。
・戦を前に茶々(竹内結子)は不安に苛まれていた。幸村は戦が決着した後の対応策について茶々に託す。
・5月7日早朝。豊臣方は茶臼山から岡山にかけて布陣。別動隊として明石全登(小林顕作)が船場口に待機した。それに対し徳川方は松平忠直、本多忠朝を主軸に数段に及ぶ陣を構える。
・幸村は毛利勝永(岡本健一)とともに徳川家康(内野聖陽)の陣に奇襲をかけることを相談していた。そこに松平忠直隊から天王寺口の毛利隊に向けて突如鉄砲が撃ち込まれた。毛利隊は応戦し態勢を立て直すと、目前に迫る本多忠朝隊を迎え撃った。
・家康は幸村が徳川に内通しているという情報を豊臣方に流す。豊臣秀頼(中川大志)は信じなかったが、大蔵卿局(峯村リエ)たちには動揺が走った。
・一方、毛利隊は破竹の勢いで本多隊を打ち破りそのまま家康の本陣に向かった。その手前には真田信吉(広田亮平)の陣があった。信吉隊とぶつかった毛利隊は圧倒的な勢いでそれを撃破した。続けて毛利の勢いを阻もうとした小笠原も撃退し、さらに榊原、諏訪、酒井も突き崩す。
・大坂城では与左衛門が幸村が徳川に寝返ったと嘘をつき、秀頼も動揺する。
・真田、毛利の攻撃によって徳川軍は大混乱となった。その中を幸村は家康のいる本陣へとまっすぐ突き進んだ。
・家康の馬印が倒されたのは、武田信玄に敗れた三方ヶ原の戦い以来のことであった。
・戦況は圧倒的に豊臣方の有利であった。岡山口にいた大野治房(武田幸三)隊は秀忠(星野源)の本陣に襲いかかった。
・家康は本陣から逃げた上、切腹を覚悟した。
・戦いは豊臣軍の圧勝…に思われた。ところが大野治長(今井朋彦)は今こそ秀忠出陣のときと一旦大坂城に戻ることにしたが、そのとき持参していた千成瓢箪を引き揚げてしまう。この小さな行動が歴史を変えた。
・戦場のあちこちで戦っていた兵士たちは豊臣の馬印である千成瓢箪が城へ戻っていくのをみて動揺した。秀頼が城へ逃げ帰ったと思い込んだのである。
・しかも不運は重なる。自暴自棄になった与左衛門が大坂城に火を放った。それをみた家康。この最後の戦国武将は戦には流れが変わる瞬間があることを体で知っていた。彼はそれを決して逃さない。
・徳川軍の反撃が始まった。井伊直孝隊と藤堂高虎隊が真田隊に襲いかかった。
・家康本陣まで迫った真田隊と毛利隊だが、徳川の猛反撃に遭う。船場に潜んでいた明石隊は応援に駆けつけようとしたが、勢いづいた徳川方の前に撤退を余儀なくされる。
・秀頼は不利な状況の中、出陣することを決意するが茶々が引き止める。
・千姫(永野芽郁)は、きり(長澤まさみ)に導かれて徳川方に和睦の使者として向かった。
・大坂城にも徳川方の兵士たちが侵入し、高梨内記(中原丈雄)、堀田作兵衛(藤本隆宏)らが必死に食い止めようとするが討たれてしまう。
・激戦の中、幸村は単騎で家康前に飛び出た。そして馬上筒を構える。家康は自分を殺したところで徳川の世は変わらないと言うが、幸村はそれでも自分は家康を討ち果たさねばならぬと言う。
・そして銃声が響き渡った。しかし幸村より早く秀忠隊の放った銃弾が幸村の行く手を遮った。
・佐助(藤井隆)とともに逃げ延びた幸村は落武者狩りを交わすが、これ以上は戦うことができなかった。佐助に介錯を頼んだ幸村は覚悟を決めた。
・燃えゆく大坂城の中、秀頼や茶々とともに幸村の息子・大助(浦上晟周)の姿もあった。
・信之のもとに大坂から知らせが届く。六文銭が鳴ったことで信之は全てを悟った。
・これより7年後、真田信之は松代藩10万石の大名となった。そして幕末、松代藩は、徳川幕府崩壊のきっかけを作る、天才兵学者 佐久間象山を生み出すことになるのだが、それはまだ遠い先の話である。
<真田丸紀行>
・慶長20年5月7日、徳川家康の本陣を切り崩した信繁は力尽き、現在の安居神社付近で最期の時を迎えたという。
・信繁が斃れたあと難攻不落の大坂城は落城。秀頼や茶々は自刃し、ここに豊臣家は滅亡した。
・信繁のふるさと、長野県上田市。真田家の菩提寺の一つ長谷寺に残された真田一族の墓。その隣に信繁の供養塔が建立されたのは3年前のこと。信繁の魂が約400年ぶりの里帰りを果たしたのだ。
・真田を象徴する上田城は今日も多くの人々で賑わう。戦国乱世を駆け抜けた真田信繁の生き方は、時代を超えて今も人々を魅了し続けている。
※安居神社
※眞田幸村戦死跡之碑
※大阪城公園
※豊臣秀頼 淀殿ら自刃の地
※長谷寺 真田幸隆、真田昌幸の墓
※眞田幸村(信繁)公供養塔
※上田城跡公園
※真田幸村公像
(2016/12/18視聴・2016/12/26記)
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※関連ページ(「真田丸」本編)
第50話「最終回」
第49話「前夜」
第48話「引鉄」
第47話「反撃」
第46話「砲弾」
第45話「完封」
第44話「築城」
第43話「軍議」
第42話「味方」
第41話「入城」
第40話「幸村」
第39話「歳月」
第38話「昌幸」
第37話「信之」
第36話「勝負」
第35話「犬伏」
第34話「挙兵」
第33話「動乱」
第32話「応酬」
第31話「終焉」
第30話「黄昏」
第29話「異変」
第28話「受難」
第27話「不信」
第26話「瓜売」
第25話「別離」
第24話「滅亡」
第23話「攻略」
第22話「裁定」
第21話「戦端」
第20話「前兆」
第19話「恋路」
第18話「上洛」
第17話「再会」
第16話「表裏」
第15話「秀吉」
第14話「大坂」
第13話「決戦」
第12話「人質」
第11話「祝言」
第10話「妙手」
第9話「駆引」
第8話「調略」
第7話「奪回」
第6話「迷走」
第5話「窮地」
第4話「挑戦」
第3話「策略」
第2話「決断」
第1話「船出」
※真田ゆかりの地関連
【ブラタモリ】#54 大坂城・真田丸スペシャル~大坂城はなぜ難攻不落?~
【ブラタモリ】#31 真田丸スペシャル・沼田~真田は沼田でどんな城下町をつくった?~
※関連ページ(真田一族関連)
【歴史秘話ヒストリア】真田丸を掘る 地中に眠る信繁の城
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【にっぽん!歴史鑑定】真田幸村の半生
【歴史秘話ヒストリア】徹底解明!これが“真田丸”だ
【THE歴史列伝~そして傑作が生まれた~】真田三代 前篇
【THE歴史列伝~そして傑作が生まれた~】真田三代 後篇