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【歴史秘話ヒストリア】ザ・ヤング始皇帝 少年が乗り越えた3つの試練

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【歴史秘話ヒストリア】
「ザ・ヤング始皇帝 少年が乗り越えた3つの試練」

(NHK総合・2016/9/2放送)
※公式サイト:http://www4.nhk.or.jp/historia/

<感想>

 1か月ぶりの「歴史秘話ヒストリア」は大阪で行われている兵馬俑展覧会の宣伝だったのでしょうか。始皇帝の即位までの歴史を振り返ったのはいいのですが…再現映像が正直言ってショボかったし、話自体も“秘話”というものとはちょっと言えない内容でしたね。

 その点では番組が違いますが、始皇帝陵と兵馬俑を取り上げたNスペの方が面白かったです、はい。(→【NHKスペシャル】アジア巨大遺跡・第3集 地下に眠る皇帝の野望 ~中国 始皇帝陵と兵馬俑~

兵馬俑

兵馬俑

 写真は再掲になりますが、東京・国立博物館で行われた「始皇帝と大兵馬俑展」を見学したときのものです。これから観たい方は、2016年10月2日まで大阪・中之島の国立国際美術館で開催されています(→http://heibayou.jp/)。

<視聴メモ・番組内容(いわゆるネタバレ)が含まれています>

・中国の西安に年間500万人が訪れる一大観光地がある。サッカー場2面分を埋め尽くすように並んでるのは世界遺産、兵馬俑。今から2200年前に作られた兵士や馬の像。その数は約8000体、秦の始皇帝の墓を守るために作られた。
・秦の始皇帝、若き日々に迫る。後に始皇帝となる少年は一体どのような人生を歩んだのか。それはあまりにも過酷な試練の連続だった。命懸けの脱出、絶体絶命の戦い、裏切りに次ぐ裏切り。これらを乗り越え、少年は中国史上初めて「皇帝」と名乗るほどの人物になった。

<憎まれ、そしられ、いじめられ…>
・北京から南へ400kmのところにある古都・邯鄲。秦の始皇帝は2000年以上昔から栄えた歴史ある町で生まれた。少年時代の名は「政」といった。
・ときは紀元前3世紀。中国はいくつもの国が激しく争い合う戦国時代だった。政が生まれた邯鄲は秦ではなく趙の都。なぜ敵国で生まれたのか。政の父親は秦の王子で、この時代互いの国々は王子を人質として交換することで戦争を防いでいた。そのため親子3人、肩を寄せ合い邯鄲で暮らしていた。
・ところが紀元前262年、秦は趙と戦争を始め、邯鄲を包囲した。当時の遺跡からは大量の人骨が見つかり、中国の歴史書「史記」によれば秦は趙の兵士40万余りを埋めたと記されている。
・邯鄲の町は憎しみにあふれ、政もその対象となった。
・そんなある日、秦から呂不韋という商人が政の父親のもとを訪れた。今の王が長くなく、じきに世継ぎ争いが起こる。秦に戻り王座を狙うべきだと言う呂不韋に父は乗り、秦に戻っていった。
・政と母親は父からの迎えを待つ日々が続いた。
・そして6年後、遂に迎えの使者が訪れた。秦の都・咸陽。初めて見る祖国の姿だった。
・父は王になり、呂不韋も立派な側近として仕えていた。
・ところが、父親は王となって僅か2年で急死。このとき政は13歳という年齢で戦国の王になるという過酷な運命が待っていた(紀元前247年 政が秦王に即位)。

<周りはすべて敵 絶体絶命の戦い>
・秦の都・咸陽の東に設けられた関所・函谷関。秦の国に入るにはここを通らなければならなかったため、空を見上げるほどの砦が築かれていた。
・若き政に立ちはだかった2つ目の試練。それはここ函谷関をめぐる激戦だった。
・政も18歳になり、この頃になると自らも戦いの場に出て行くようになった。戦に勝って敵の土地を占領し、その土地に秦の民を住まわせていた。
・しかしこのやり方が思わぬ事態を招いた。秦に滅ぼされるのではないかと危機感を抱いた他の国々は密かに計画を練った。
・紀元前241年、5つの国が協力して数十万と言われる連合軍が秦の国境を突破し、咸陽の都に迫ろうとしていた。秦1国に対し敵は5か国、絶体絶命の危機だった。
・何とか切り抜ける策はないかと政は考えた。スパイを使い連合軍を仲間割れさせようにも敵は目の前で間に合わず、また奪った土地を返して講和をするにも相手が応じるという保証がなかった。
・政の頭に浮かんだのは「函谷関」だった。秦の国は周りを険しい山々に囲まれているため、大軍はやすやすと中に入れない。唯一通れるのが函谷関だった。
・現在の函谷関には高さ30mの城壁が再現されているが、当時の城壁は66mあったという。加えて壁は3重に巡らされていた。つまり政の作戦は函谷関を信じて相手を根負けさせることだった。
・紀元前241年、函谷関の戦い。連合軍は圧倒的な数に加え、様々な武器で攻め込んだ。巨大な丸太の戦車に何台もの投石機。厚く高い壁を打ち破ろうとした。南の国・楚からはゾウまで兵器として持ち込まれたとも言われる。
・これに対し秦はどのように迎え討ったか。秦の兵器・弩。体全体を使って矢をつがえる強力な武器で、矢じりは先の方が重く、鋭く三角形に尖っている。60m以上の高さから放たれた矢は、盾や鎧を射ぬくほどの凄まじい威力だった。
・しかし函谷関の激戦のさなか、各国の精鋭を集めた別動隊が密かに山を越え、都・咸陽を狙っていた。気づけば敵は都に僅か半日の距離「さい」(草かんむりに“最”)にまで迫っていた。
・都の兵を「さい」に向けて出兵するという大きな賭けだった。耐えること数日、連合軍は「さい」を突破することができなかった。
・絶体絶命の危機を乗り越えた若き日の始皇帝。しかしこの後、彼にはさらなる試練が待ち構えていた。

<裏切りに次ぐ裏切り その果てに>
・秦の都だった咸陽から北西へ約50km、山々からの水が作り出した川・涇水。川の横を流れるのは、秦の時代に起源のある用水路。秦の国にそれは豊かな実りをもたらした。
・その由来を記した記念碑に気になる事柄が記されていた。工事の責任者だった鄭国という男は敵国のスパイだったというのだ。
・スパイの狙いは秦に無理やり大工事をさせ、人やお金など戦に使う力を弱めることだった。しかし政は工事を続けさせた。国を豊かにし、今より多くの兵を養おうと考えたからだ。背景にはとてつもない野望があった。
・それは6つの国全てを滅ぼし、中国全土を秦に統一するというものだった。しかしそれには一つ問題があった。長年側近として秦国を支えてきた呂不韋。彼は他の6か国のリーダーとして秦は繁栄すべきだと主張した。2人は次第に対立。思わぬ形で決着することになった。
・紀元前238年、秦の夜空に彗星が現れた。彗星は古代中国では不吉の兆しとされていた。政にとって、それは母にまつわることだった。政の母・太后は何不自由なく後宮で生活していた。後宮とは王の后や側室たちが暮らす宮殿の奥まった場所で、いわゆる男子禁制だった。
・しかし母は密かに愛人を囲っていた。男の名は「ロウアイ」、子どもまでもうけていた。このスキャンダルはやがて政の知るところとなった。ところが母の愛人・ロウアイは偽の王印を作って勝手に兵を集め始めた。
・政は一計を案じた。成人の儀式を行うためとして僅かな兵を連れ、都・咸陽を離れた。すると反乱が起こった。ロウアイだった。
・咸陽の近くで両者は激突。政は隠しておいた精鋭部隊を率いて敵を圧倒。ロウアイと政の母は捕らえられた。ロウアイは車裂きの刑に、母は都を離れて隠棲となった。さらに子どもも処罰された。これで全てが終わったかと思われたが、政は呂不韋を捕らえるよう命じた。ロウアイを母に引き合わせたことを罪に問うたのだ。

<秦の始皇帝>
・紀元前238年4月、成人の儀式を執り行い、政は遂に秦王として戴冠。22歳。名実ともに少年が王となった瞬間だった。
・その後、王を待っていたのは戦いの日々だった。他の国々や、かつて自分を虐げた者など次々と容赦なく滅ぼしていった。
・そして紀元前221年、中国全土を統一。王の上に立つ者という意味で初めて「皇帝」を名乗った。始皇帝は国ごとにバラバラだった文字や貨幣を統一。また万里の長城を築くなど、いくつもの歴史を刻んだ。
・中国ではいつの世も業績を讃えられる一方で、その残酷さを非難されてきた始皇帝。

始皇帝は素晴らしい人物だと思います。彼は文字を統一しました。それが一番大きな貢献ね(女性)

(もしも始皇帝が恋人だったら?)
始皇帝とは絶対結婚したくないわ。だって彼は残忍な性格だもの。結婚したらきっと大変よ(女性)

優しい面もあるんじゃないかな。ただの暴君なら誰もついていかなかっただろうね(男性)

・未だ評価が定まることのない中国初代の皇帝・始皇帝。その複雑な人物像は若きの日の様々な出来事の積み重ねの果てにあるのかもしれない。

(2016/9/5視聴・2016/9/5記)

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